ブレイク期のヒートテック

ヒートテック~2008年シーズン-2011年シーズン

2003年発売のユニクロ・ヒートテックが大ブレイクして冬の定番インナーの地位を確立した2008年シーズンから2011年シーズン時期のヒートテック着用レビューです

◆ヒートテックの特徴(当時)

  • 発熱:カラダから出る水蒸気を繊維が吸着し発熱。
  • 保温:繊維と繊維の間の空気の層が、発生した熱を外に逃がさない
  • 吸汗速乾:汗を素早く吸収して発散、肌触りを常にサラサラに。
  • 抗菌:特殊加工で気になるにおいを抑える。
  • ストレッチ:伸縮性のある素材で体にフィット。
  • 静電気防止
  • 形状保持:特殊な編地により、洗濯による型崩れやシワを防止(2009-2010年シーズンモデルから)
  • 消臭:特殊な加工がにおいの元を吸着・中和して消臭(2011-2012年シーズンモデルから)

【UNIQLO】 ユニクロ ヒートテック 2008

ヒートテック2008 ブランド:ユニクロ
素材:アクリル41%・ポリエステル34%・レーヨン22%・ポリウレタン3%
重量:130g
購入価格:1500円
購入時期:2008年

ヒートテック2008

2008年モデルのユニクロのヒートテック・アンダーウェア。
昨シーズンまでは【ヒートテックプラス】でしたが、今シーズンは【ヒートテック】と名称が変わっており、素材が綿主体から化繊オンリーの製品に変わりました。
【ヒートテックプラス】→ 素材:綿59%・ポリエステル32%・ポリウレタン9%
【ヒートテック】→ 素材:アクリル41%・ポリエステル34%・レーヨン22%・ポリウレタン3%

【ヒートテックプラス】のほうは綿が発熱素材でしたが、これはレーヨン素材が発熱するようです。

ヒートテックシリーズは東レ株式会社と提携して商品開発をしているそうですが、東レにはレーヨンベースの【SOFTTHERMO】という発熱素材があるので、このヒートテックもその仲間になるのでしょうかね?

ユニクロのアンダーウェアの魅力は値段の安さにあるのですが、【SOFTTHERMO】を使用したアンダーウェアはどれも低価格なので、ユニクロが飛び抜けて安いわけではないような気もしてきました。手に入りやすいのは飛び抜けてユニクロですが。

使用感に関しては、昨シーズンまでの【ヒートテックプラス】に比べると、化繊品になった分、薄くなり、 全体的にソフトでテロテロ感が出て、体へのフィット感がやわらかくなりました。
ここは好き嫌いがでるかもしれないな、というのが第一印象です。
薄くてソフトな感じが好きな人はいいと思うのですが、昨シーズンモデルのカチッとしたフィット感もよかった気もします。 このクラスですと、フィット感でも暖かさの感じ方が変わりますからね。
確かに旧モデルは綿混なので、着た瞬間はひんやりするデメリットがあったのですが、 普段着的な用途のアンダーなのでそれでもよかったような気もします。
縫い目がフラットシームではなくなりましたが、生地が薄いので気にはなりません。
色合いは今シーズンモデルのほうが高級感があります。 いずれにしろ風合いがだいぶ変わってしまったので比較が難しいですね。
相対的に言えば、綿シャツよりは絶対に暖かい、薄手にしてはそこそこ暖かい、でももっと暖かい下着は沢山ありますね。といったところでしょうか。消臭力は少し弱く、静電気はあまり出ないという感じです。

毎年大幅に変更されるユニクロのインナーウェアですが、昨シーズンに出た【ヒートテック モイスト】に素材的に近いです。
【ヒートテック モイスト】からミルクプロテインといった保湿成分を抜いて、伸縮性を多少緩めた(ポリウレタン)のが、この【ヒートテック】でしょうか?
でも何か違うように感じます。その違和感を解消するために、各ヒートテックの重量と、脇下から袖先までの長さを計ってみました。

所有しているヒートテックを実際に計りましたが、全てが新品ではないので誤差はあるかとは思います。 サイズは全てMサイズです。

重量:
2004年「ヒートテックプラス」 → 【200g】
2007年「ヒートテックプラス」 → 【170g】
2007年「ヒートテックモイスト」→ 【160g】
2008年「ヒートテック」 → 【130g】

脇下から袖先までの長さ:
2004年「ヒートテックプラス」 → 【53cm】
2007年「ヒートテックプラス」 → 【47cm】
2007年「ヒートテックモイスト」→ 【47cm】
2008年「ヒートテック」 → 【45cm】

年々軽量化されて、袖の長さも変わってるんですね。これで違和感の理由がわかりました。
【ヒートテックプラス】は綿ベースなので、アクリルベースの【ヒートテックシリーズ】とは単純に比較できないのですが、
軽く薄くなった分、「重ね着が楽になり快適度がアップする」ととるか、
軽く薄くなった分、「暖かさがその分減るかな?」ととるか、重要視する点で変わってきますね。
それとやっぱり今シーズンモデルの九分袖はちょっと短いんですよね。 伸縮性があるので問題ないレベルですが、昨シーズンの九分袖が絶妙にピッタリの長さだったので少し残念です。 そしてできれば袖はリブなしにしていただきたかったです。
個人的には、昨シーズンモデルは長袖Tシャツの延長であった気がしますが、今シーズンモデルはより下着感が強くなった感じがします。(2008/09/29)

【UNIQLO】 ユニクロ ヒートテック 2009

ヒートテック2009 ヒートテック2009
ブランド:ユニクロ
素材:アクリル41%・ポリエステル36%・レーヨン20%・ポリウレタン3%
重量:140g
購入価格:1500円
購入時期:2009年

2009年モデルの着用第一印象は、昨シーズンモデルのヒートテックのテロテロ感が減って、 着やすく、しっかりした感じがしました。 では、測ってみようということで、、、
重量は、2008年版:【130g】 → 2009年版:【140g】 ということで、しっかり感がここに、、、
脇から袖先までの長さは、 2008年版:【45cm】 → 2009年版:【46cm】 と、ゆったりな9分丈になってジャストサイズです。
それ以外にも、裾の長さが昨シーズンモデルより少し長くなっているみたいですね。
細かいですが、これだけでもかなり着心地がよくなったような気がします。

数年前にヒートテックが登場した時には、この価格でのあったか下着があまりなかったので、 それだけで素晴らしいと思いましたが、昨シーズンのヒートテックの大ヒットで同価格帯にたくさんのあったかインナーが各社から発売され、ヒートテックの”低価格”という”ひいき目”がなくなってしまいましたね。大衆向けあったか下着の先駆者、ヒートテックは毎年進化していて、発売当初よりも確かに良くなっています。

とりあえずの感じとしては、思わず引っ張りたくなるビヨ~ン調の 伸縮性のあるストレッチ素材の生地が、それほどカラダにピッタリ張り付くほどのフィット感でもなく、 腕回りなどは余った生地が若干シワになってます。 アウターとしても着れるようにファッション性を高めたということなので、 スタイル的にもそうなっているのかもしれませんが、言うほどファッショナブルとは思いませんし、 インナーウェアにそれは必要ないかなぁという気がします。 でも、オレンジやイエローなど、今までのあったか下着にはなかったカラーがラインナップされているので、 そこは評価大なのかな、と思います。

さて、アンダーウェアとしてみた場合、縫い合わせ部分の固さと盛り上がりは少々気になります。
特にわきの下の十字になっている縫い目はモコモコと不快感があります。
ヒートテックプラス 2007では縫い目はつぶされていたんですけどね。。
袖口も男性用はリブ袖で、その縫い目がモコモコします。
袖口や腕周りをすっきりさせるにはやはりリブ無し袖がいいなと思います。
女性用ヒートテックはリブ無しなので、男性用もそうして欲しいところです。

着てみると、ヒートテックは暖かいですね。綿シャツから着替えるとかなり暖かく感じましたよ。
ですが、しばらくしてから、少し痒くなりました。
インナーウェアは肌に直接着るものなので肌質にもよるのでしょうし、 綿シャツから着替えたから特に感じたのかもしれませんが、無意識に背中や二の腕を掻いてました。

それと、汗をかいてもヒートテックの生地はドライでしたが、肌が少しベタつきました。
特殊加工されたポリエステル製のアウトドア用のアンダーウェアではあまりベタつくことはないので、 吸汗発散性はそこまでではないかなという感じですね。
価格的に比べてはいけないかもしれませんが。。。

【UNIQLO】 ユニクロ ヒートテック 2011

ヒートテック2011 ヒートテック2011
メーカー:ユニクロ
商品:ヒートテック クルーネックT(9分袖)
素材:アクリル40%・ポリエステル33%・レーヨン21%・ポリウレタン6%
価格:1500円
重量:145g
購入時期:2011年

さてさて、2011年モデルのユニクロ・ヒートテック、以前のつるっとした感じに比べて、少しざらっとしてカチッとした感じを受けます。 感触的にあまりつるつるしているより、少し抵抗感があったほうが暖かい感じがするんですよね。
さらに今シーズンものは、特殊な加工がにおいの元を吸着・中和してくれる消臭機能が追加されているということで、ヒートテックも完成に近づいてる気がします

昨シーズンものは持っていないので、2009年モデルと2008年モデルとの比較になってしまうのですが、 今シーズンモデルは、以前のものに比べて、肩幅は広く、袖は長く(9分袖がちょうどよい)、胴回りは細くなっているようで、 フィット感がありながら窮屈な感じはせず、とてもよくなっているように感じます。
生地に関しても、間違いなくオール化繊モデルになった2008年モデルとは別物のようにしっかりしています。

前も測ってみたので、今回も比べてみようということで、
重量は、2008年版:【130g】 → 2009年版:【140g】 → 2011年版:【145g】
脇から袖先までの長さは、
2008年版:【45cm】 → 2009年版:【46cm】→ 2011年版:【46.5cm】
なるほど。これ以外にも、肩幅、胴回りなどもありますからね、結構違いはあるかもしれません。

前々から期待している縫い目のフラット化ですが、この価格帯ではどれもそうはなっていないので、 もう期待はしないというか、それが普通なのでしょうね。
定価も相変わらず1,500円と、他のPB品よりおそらく高めですけど、割引セールのときに買えばそんなに違いはでないかと思われるので、それも戦略ということでいいような気がしてきました。

なんとなく、今シーズンからはヒートテックを着る回数が増えそうな気がしています。。