目次
ブレスサーモとは
ブレスサーモは、東洋紡(株)が開発したアクリル繊維を原料に、ポリマー改質し 分子を親水化し高架橋化した(?)高架橋ポリアクリレート系繊維(指定外繊維)。
ピンク色の原綿で繊維強度が弱い繊維。
原綿発熱ではNO.1と言われ、その発熱量は羽毛やウールなどの天然素材の約3倍。
【吸湿発熱機能】
人体から放出された水分(人は汗をかかなくても成人の場合1日約700~900mlの水分を皮膚から蒸発させている) が、繊維内に吸湿される時に生じる吸着熱により衣服内温度を約2℃高めることができる。
身体を温めるだけでなく、衣服内の湿度を約20%抑え、 ドライ感を保つことで、衣服内のムレ感や体の冷えを最小限に抑え、 いつもドライで暖かい着用感を実現させている。
【消臭機能】
原糸そのものに消臭効果があり、嫌な臭いや汗臭の発生を抑制し、 その作用は半永久的に持続。
【pHコントロール機能】
糸自身に、酸、アルカリを中和する効果「pHコントロール機能」があり、 汗や洗剤などによってアルカリ化されやすい繊維を中性に保ち、優しい感触を保つ。
1994年から発売されているブレスサーモは吸湿発熱素材のパイオニアで、 アンダーウェアに限らず、スポーツ用、日常用、ウォームビズ用、ソックス、グローブ等、 多様な種類の衣料に利用されています。頻繁に目にするあったか素材かと思います。
発熱量や、吸湿、消臭機能の説明は原綿レベルでの話です。ブレスサーモ素材は1着に5%~30%程度の配合ですので、 製品レベルではどうなのかという疑問があります。
【MIZUNO】ミズノ ブレスサーモ ミドルウェイト(中厚)
ブランド:Berg(ミズノ) 素材:ポリエステル85%,ブレスサーモ15% 重量:190g 購入価格:5040円 購入時期:2001年 |
原綿発熱No.1の発熱素材ブレスサーモを使用したミドルウェイト(中厚手)のアンダーウェア
カラーがホワイトとなっていますが原綿がピンクなので薄ピンク色です
フライス編みの着心地が非常によく、柔らかくぴったりと体にフィットします
体の蒸気を吸って発熱するからか、汗ばんでからは暑いくらいです。
困るのは、暖かい場所から寒い場所に移動した時で、 暖かい場所では暑くなり過ぎて余計な汗をかいてしまいます。
その後、寒い場所に出ると、かいた汗で体が冷たく感じてしまいます。汗が引けばまた暖かさを感じてきますが、どうも快適ではないんですよね。
発熱パワーはあると思うのですが、体温を保持する保温機能が今ひとつなので、じっとしている時は暖かく感じないんですね。
このアンダーは暑いか、寒いかのどちらかである場合が多く、かえって着る場面を選ぶのが難しいです。
あくまでも2001年のこの製品の話です。
【MIZUNO】ミズノ ブレスサーモ ライトウェイト(薄手)
ブランド:Interrismo(ミズノ) 素材:ポリエステル90%, ブレスサーモ10% 重量:165g 購入価格:3500円くらい 購入時期:2003年 |
発熱素材ブレスサーモのライトウェイト(薄手)アンダーウェア。
原綿のピンク色を限りなくオフホワイトに近づけるためにグリーンを混ぜたそうですが、 やっぱりどうしてもピンクがかってしまっています。
ブレスサーモには発熱機能以外にも、吸湿効果や消臭・抗菌防臭効果を備えているようですが、 ブレスサーモ素材はこのアンダーには10%しか入っていないのですよね。 アンダー全体の機能としては、90%を占めるポリエステルによるところが大きい気がするのですが、 そっちはどの程度なのかわかりません。
着た感じでは、フィット感は今ひとつ。吸湿発散性もいまひとつです。